家を買う&リフォームする前に知ってほしいこと 結露の仕組みと原因

新築・リフォーム後に、結露・カビ・暑さ寒さ・光熱費で悩まないよう、
まずは結露の仕組みと原因を知りましょう!

結露の仕組み

「住まいの不満」の上位にランキングされる結露やカビ。

結露によって黒カビが発生した窓周り
▲結露によって黒カビが発生した窓周り

こまめな掃除が必要となり、家事の負担を増やす結露はなぜ起きるのでしょうか。

戸建て居住者住まいの不満ランキング
※複数選択式回答率(%) n=5,500
出典:環境省
「改訂版 断熱・水回り省エネリフォーム紹介BOOK」

空気に含まれる水蒸気の割合を湿度と呼びます。暖かい空気は多くの水蒸気を含みますが、その空気を冷やしていくと、次第に湿度が高くなり、ついには湿度100%になります(露点温度)。それ以上冷やすと水滴が出始めます。

この現象が「結露」なのです。

下のグラフを見てください。気温20℃のとき湿度60%の空気(A)は、12℃で湿度100%になります(B)。つまり家の中だと、12℃(露点温度)以下になる場所に水滴が付くのです。

結露が発生する温度のグラフ 露点グラフ

結露の原因は「家の中の冷たい場所」

冬に結露が発生するのは、窓周りや北側の壁面等、外気の影響で温度が低い場所。もしこれらの場所の温度が露点温度より高ければ、結露しません。

具体的には「単板ガラスではなく二重・三重のガラスであれば」「サッシがアルミではなく冷えにくい樹脂であれば」「壁に断熱材が入っていれば」、結露はしにくいのです。

家の中に冷たい場所のある家
家の中に冷たい場所のない家

巷にはシートやテープ等の結露防止グッズが売られていますが、結露の根本原因は家の中の冷たい場所です。窓にフィルムや緩衝材を貼る対策も見かけますが、家の中に温度差があり、露点温度よりも低温になる場所があれば、窓以外の場所が結露するだけ。最悪の場合は壁の内部に結露・カビが発生します。

結露対策に裏ワザはありませんし、窓の対策だけでは不十分なのです。

「断熱」と「気密」で家中の温度を一定に

ではどうすれば、結露を根本的に解決できるでしょうか。

家の中の冷たい場所(温度差)をなくすためには、家の断熱性と気密性を高めて、外気温の影響を受けにくくすることが必要です。

断熱とは、外部との熱の出入りを遮ること。気密とは、窓を閉めたときに空気が出入りする隙間が小さいこと。

高断熱・高気密な家を選び、計画的な換気を行うことで、結露がなく、夏も冬も快適な室温になるのです。

結露防止には、住宅の断熱性・気密性が大事!
それでは、家づくり・家選びのときにチェックする具体的なポイントは何でしょう?


>>次は「3. 断熱・気密チェックリスト」


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